あなたはいくら損している?所得税について知っておくべきこと

税金

今回は所得税について書いていきたいと思います。毎月給与から天引きされている所得税。

私たちにとって最も身近な税金ですが、給与から天引きされているためなかなか触れる機会は多くないのではないでしょうか。

税率も決まっているし、毎月給与から引かれるなら学んでも仕方ないと思う方も多いと思いますが、所得税はポイントを押さえればしっかりリターンが見込める分野です。

本日は所得税の基本的な仕組みと、賢く税金を節約するための所得控除について解説しますので、これまであまり所得税について考えなかった方はぜひ読んでいってください。

所得税についての基礎知識を押さえよう

まずは所得税について必ず知っておいてほしい基礎知識を簡単に紹介します。

①所得には10種類ある

所得10種類に分類されます。私たちの最も身近な所得は「給与所得」ですが、それ以外にもたくさんの所得があるのです。すべての所得について理解しておく必要はないので、まずは所得には種類が複数の種類があるということを押さえておいてください。

②総合課税と分離課税がある

次に押さえておきたいのが所得税は、所得の種類ごとに税金の計算方法が変わってくるということです。先ほどの10種類の所得は「総合課税」と「分離課税」のいずれかに分類されます。

「総合課税」は対象となる所得を合算して税金を計算する方法です。代表的なものとして「給与所得」や「事業所得」、「不動産所得」があげられます。よく「高所得者ほど高い税率になる」と言われるのは、この総合課税が累進課税方式をとっているためです。ちなみに最高税率の方は所得税と住民税あわせて約55%の税金がかかります。

「分離課税」はほかの所得とは合算ぜず単独で税金を計算する方法です。こちらについては金融商品等から得られる「配当所得」や「利子所得」、株式や不動産等を売却した際の「譲渡所得」等が該当します。分離課税には源泉徴収のみで完結する「源泉分離課税」と、確定申告が必要になる「申告分離課税」の2種類があります。

私たちがと関係性の深い「給与所得」や「事業所得」は総合課税となります。

所得税の計算方法を理解しよう

所得税の基礎知識について確認したところで、次は所得税の計算方法を見ていきましょう。簡単ではありますが、所得税の計算方法について簡単なイメージ図を作成しました。

所得税はすべての収入に対してかかるわけではありません。年間の収入から一定の金額を差し引いた「課税所得」(税金計算のもととなる所得)を元に税額を計算します。ここで見てほしいのが「所得控除」と「税額控除」です。ここの活用が手取り最大化のポイントとなります。

収入が多くても所得控除の金額が大きければ、課税所得は小さくなります。仮に同じ金額の収入を得ていたとしても、最終的な手取り額が変わってきてしまうということです。このあと解説しますが、所得控除や税額控除は知らないと損をしてしまうものも多いです。

所得控除と税額控除をうまく活用しよう

それでは「所得控除」と「税額控除」について解説していきます。

所得控除について

「所得控除」とは、「税金計算のもととなる所得(課税標準)」を算出するために収入から差し引けるものと思ってください。繰り返しになりますが所得税はすべての収入にかかるものではありません。額面の収入から社会保険料(年金や雇用保険)や医療費の一部の金額、生命保険の支払いにあてた一部の金額等を除いた金額から計算されます。ここでは紹介しませんが所得控除は全部で15種類あります。

税額控除について

「税額控除」とは実際に計算された所得税から直接差し引けるものです。所得控除の場合「差し引いた金額×税率」メリットになりますが、税額控除の場合、差し引いた金額がそのままメリットになりますので、所得控除よりもお得感があるかもしれません。しかし、所得控除と比べると活用できるものが少ないのが特徴です。代表的なものとしては住宅ローン控除があります。

おすすめの所得控除について

先ほど書いた通り「税額控除」は活用しにくいものが多いため、今回は誰でも使えるオススメの「所得控除」についていくつか紹介したいと思います。ぜひうまく活用して賢く節約しましょう!

①小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除とは、特定の共済等に支払った金額について所得控除を受けることができるというものです。代表的なものだと個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金(企業型DC)などがあります。 小規模企業共済等掛金控除は老後の資金を貯めながら所得控除を受けられるという非常に魅力的な所得控除です。

会社で制度があるのに活用していない方や、給与の受取後に貯蓄している方がいらっしゃればこちらの制度の活用をぜひ検討してみてください。税金をひかれたあとの金額から貯蓄するのは効率が悪いです。ただし、引き出せるのは基本的に老後だと思ってください。

②寄附金控除

寄附金控除は国や特定の団体に寄付を行った場合、一定額の控除を受けることができるというものです。「ふるさと納税」でご存じの方もいらっしゃると思います。「寄附したら控除を受けてもお金が減ってしまうのでは」と思う方もいらっしゃると思いますが、「ふるさと納税」では住民税の控除と合わせることで寄附者にメリットが出るようにできています。「ふるさと納税」についても別記事で解説予定ですので。順次アップしていきます。

③生命保険料控除

こちらは年末調整でご存じの方も多いと思います。生命保険料の支払いに充てた金額は一定金額まで所得から控除することができます。保険料の支払いが多い方であれば限度額まで利用されている方も多いらっしゃると思いますが、限度額まで使用していない方は、貯蓄用の保険等もあるので検討してみてください。(生命保険料控除のために無駄な保険には入らないでください!)

まとめ

いかがだったでしょうか。本日は所得税をテーマでお話してきました。所得税は最も身近な税金の一つであり工夫の余地も大きい部分です。所得税計算の仕組みを理解し。「所得控除」と「税額控除」について上手に活用することが、自身にとってのリターンをもたらしてくれます。これまで「ただただ所得税を払っていた方」、「所得控除や税額控除についてぼんやりとしか理解していなかった方」はこれを機に理解を深めていただければと思います。

引き続き、皆様のお役に立てるような情報を発信できればと思います。本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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