【書評】投資のバイブル「ウォール街のランダム・ウォーカー」まとめ

読書

全投資家必読!投資のバイブル!

本日は、バートン・マルキールさんの書いた「ウォール街のランダム・ウォーカー」を紹介したいと思います。1973年に初版が発行されて以来、世界中で読み続けられている名著であり、投資のバイブルとなりうる一冊です。時代が進むにつれ内容も繰り返しアップデートされており、本記事の執筆時点で第12版まで出版されているため、現代でも内容はまったく違和感のないものとなっています。投資について幅広く学べる一冊となっていいますが、専門的な内容も多いため中級者向けの一冊となります。

インデックス投資とアクティブ投資

本の内容に入る前に前提となるインデックス投資とアクティブ投資について確認しておきます。簡単な比較表を作成してみました。

 インデックス投資アクティブ投資
目的・特定の指数(日経平均株価やダウ平均)等に連動する運用を目指す。・個別銘柄を選択し市場平均を上回る運用を目指す
特徴・指数に連動するため値動きがわかりやすい
・幅広い銘柄に投資できる
・商品ごとに個性がある
・市場平均を上回ることも下回ることもある
コスト・比較的低い・比較的高い

こちらの表にある通りインデックス投資は市場に連動するように作られているので、市場とほぼ同じような動きをするように設計されています。一方アクティブ投資については市場平均を上回ることを目的としているため、商品の責任者があれこれカスタマイズしています。当然、手間がかかる分アクティブ投資の方がコストがかかります。

それでは前提となる知識について確認したところで本の内容について見ていきましょう。

本の内容について

インデックス投資が最強である

この本のメインテーマは「インデックス投資が最強である」です。著者の主張を簡単にまとめてみると下記の通りとなります。

著者の主張はとてもシンプルで、プロ投資家も含め私たちは市場に対して無力であるということです。私たちにできるのは、投資に関する正しい知識を身につけてコストの安いインデックス投資を行なっていきましょうといった内容が書かれています。

市場予測はできないのか

この本では市場予測において代表的な二つの流派を紹介しています。一つ目が、投資対象には本来あるべき価値があり、その価値を見出すことで「ファンダメンタルズ学派」。二つ目が、投資家の心理を分析することでどういった市場形成がなされるか予測する「テクニカル分析派」です。

これらの流派は研究がかなり進んでいそうですが、著者は過去の歴史やデータを使ってこれらの流派を攻撃します。ファンダメンタルズ価値学派については「多数の優秀な人々が過大評価あるいは過小評価されている銘柄を売り買いしているのであればすでにその価値は適正である」、テクニカル分析派については「儲けることの規則性を見つけても、人々に知られるようになったらそれで終わり」ということでバッサリ切り落としています。現に過去の様々なトレーダーを見ても長期的に勝てたトレーダーはほぼいなかったのです。

以上のことから、著者は下記の結論を出します。

個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロのファンドマネージャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと待っているほうが、がるかに良い結果を生む

「ウォール街のランダム・ウォーカー」著:バートン・マルキール

大切なのは正しい投資手法を身につけること

著者は個人投資家が投資市場で戦うためには銘柄を見つける能力ではなく正しい投資手法を身に着けることが大切であることだと主張しています。最後に本書で紹介されている「財産の健康管理のための10箇条」を紹介します。

これだとちょっとわかりにくいですが解説すると長くなるので機会があったら別記事で紹介します。

感想

この本を読んだのは3年ほど前ですが、今でも定期的に読み返す一冊です。著者の主張ももちろんですが、この本には過去の市場のデータが詰まっており、読み返すたびに新しい発見があります。

プロ投資家と言われる人たちに比べ、投資を本業としていない個人投資家が銘柄選びで成功することは本当に難しいことです。私たちに求められているのは銘柄選びの能力ではなく正しい投資手法を知ることです。本書で勧められているインデックス投資は正直全く面白みのない投資手法です。しかし、投資で成果をあげることと投資を楽しむことは全く別物ですので、投資を楽しみたいという人以外はまずはつまらなくても勝てる投資手法を採用してみましょう。

冒頭にも触れた通り、やや専門的な内容や用語が多いため、初心者の方だと少し読みづらいかも知れませんが、この本から投資の考え方を学ぶことはとても価値のあることなので、繰り返し読んで理解を深めていきましょう。本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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